今年の雪合戦大会は雪不足の為、雪球でプレーできない大会もチラホラ

2月の雪合戦大会はいかがでしょうか?雪合戦で楽しい週末を
現在、北は北海道から四国に至る道や県で雪合戦大会が行われています。北海道などの大会ではマイナス10度にまで気温が下がることが有ります。そこまで行くと屋外にいるだけでも辛いですが、雪合戦大会は行われます。
特に出来上がった雪球が凍り付き固まり、危険な状況になって行きます。実際の雪合戦大会でも顔面に雪球がヒットしてヘルメットに付いているシールドの下、すなわちアゴの部分に雪球が当たり出血や骨折のリスクが高まります。大会運営者の責任も有りますが、リスクを最小限にするためにヘルメットの改良やプロテクターの導入。さらにはスポーツ用のマウスピース着用をお考えいただければと思います
スポーツ用マウスガードとは?
スポーツ時に起きる外傷の約15%が頭やあごの部分に起きる確率が高くなっています。
特に、雪合戦では、シェルターに隠れて、頭を上げた際に、雪球を当てられてけがを負う可能性が高くなります。
筆者も室内練習などで何度となく痛い思いをしている輩です。
問題点を見つめて専門家からコメントを
実際に雪合戦を見ていただきスポーツ選手にスポーツ用マウスピースを提供しているパール歯科クリニックの大原庸子医院長のエッセイを書いていただきました。
~「YUKIGASSEN」をフェアープレーで戦うために~
パール歯科クリニック 院長 大原庸子

国際的なイベントにもなってきた雪合戦。
現在2022年の北京オリンピック正式種競技種目を目指してJYFは活動しています。
雪合戦はスポーツ競技「スポーツ雪合戦®」として子どもから大人まで熱中できるスポーツで、勝敗が、相手陣地内に立てられたフラッグを抜くか、雪球を相手チーム全員に当てることで決まります。つまり、狙う的が人であるという事です。それゆえ怪我も多発することが伺えます。
どんなスポーツでも怪我は付き物です。時には残りの人生に影響を及ぼす場合もあります。そうならないためにも、選手自身がルールを守るだけでなく、必要最低限の自分の身を守る防具を身に着ける事や、予期せぬ外圧に対しての倒れ方や受け身の練習、ダッシュ、ストップ、方向転換に対する身体能力の向上を心掛ける事が大切です。また審判が、試合をフェアープレーで行われるようにリードする采配も怪我のリスクを軽減する上でとても重要です。
誰しも目の前で起きる他者の怪我をみて、自分の身を守ることを、考えたことはあるかと思います。頻繁に起きる小さな怪我においては、常に備えの意識を持ちますが、いつ起きるかわからない命の危険性を伴う大きな怪我ついては、頻繁ではないために備えの意識が離れがちです。起きなければその大切さが身に沁みないというのが現状だと言えます。
スポーツによって起こる怪我の発生を競技類型別で見た統計があります。
それによるとラクビ―、サッカー、バスケットボールなどのゴール型競技と野球などのベイスボール型競技の怪我の発生率が高いことがわかります。
怪我の発生は、競技人口や実地頻度に影響を及ぼすため、ゴール型競技は競技人口も、実地頻度の高く、怪我も多く起こりやすいことが言えます。
「スポーツ雪合戦®」は、目的地に進む、球を投げるといった動作から、ゴール型競技、ベイスボール型競技の両方の特性を兼ね備えた競技と言えます。
競技人口、実地頻度はまだ少ないですが、球を投げる的が人である事、球が氷になり凶器にもなる可能性をもつ競技球である事から競技人口が少なく、実地頻度が低くても怪我の発生が通常のスポーツ競技より高くなると推測されます。
ゴール型、ベイスボール型球技で最も多いい怪我は、脳震盪、口腔内の怪我(歯牙破折、顔面骨折、口唇裂傷)です。脳震盪は重症になると命の危険性や軽傷でも後遺症を伴うこと

トレーニング不足の場合、不意打ちされた場合、脳に大きな力が加わります。トレーニングされた首が脳を支え、意識して衝撃に備えている場合、たとえ外からの力が加わっても頭部の大きな動きは避けられ、脳の回転速度は小さくなります。
特にアマチュアの場合、プロのように日ごろトレーニングされているわけではないので、不意打ちの衝撃はかなりのダメージを脳に与えます。

だからこそ、最低限の身を守る防具が必須となり、ヘルメットだけでなく、口腔内にも装着することが大切です。
安全対策としてのマスガードやフルフェイスヘルメットの導入を
マウスガードは、脳を守る唯一の防具です。
脳のダメージは起きてからでは遅いです。一生の後遺症と向き合わなければなりません。
顔面骨折も、口唇裂傷も第一印象を決める顔の傷となります。
競技生活は短くても、残りの社会人生は長いです。

一度、いつか起こりえる怪我について考えてみてください。
Not Timing, Its Time of your Life!
パール歯科クリニック 院長 大原庸子
住所:〒156-0044 東京都世田谷区赤堤5-32-2 ☎03-5300-6480
京王線:下高井戸駅 徒歩5分 世田谷線:下高井戸駅 徒歩5分
http://www.pearl-shika.com
ご協力ありがとうございました。引き続き、安全で楽しい雪合戦を目指し、マウスガードの導入と新型ヘルメットなどの防具の開発を進めて参ります。
編集後記:
2020年の雪合戦大会で雪球が低温の為に、氷球に変わり、試合を続行したため、重症者が続出するというアクシデントも有りました。このような事の無いよう大会主催者、雪合戦連盟には肝を銘じて安全な大会運営を要望します。
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