雪合戦の理論で検証 ミッドウェイ海戦の敗因とは?
今回二回目となる太平洋戦争のターニングポイントと言われるミッドウェイ海戦の敗因とそれに関連する教訓を雪合戦の戦略戦術から学びながらビジネスシーンで活用したいと思います。
空母機動部隊をせん滅するかミッドウェイ島を攻略するかを一つにする
先の章でも述べました空母機動部隊からの東京空襲による国土防衛の為に、この作戦が必要かどうかを検証した場合、ミッドウェイ島に空母機動部隊をおびき寄せそれをせん滅する事で、当面の太平洋上における海軍力の優位性は確保されていたのは間違いありません。(アメリカ側はサラトガ1隻のみで大西洋にも作戦行動中)ミッドウェイ島を占領したところで兵站が困難で、その他の条件も考えても島を奪取する事は2の次と戦略上考えるべきです。
結論、目的を空母をおびき寄せ、そこに集中した兵力を投入しせん滅する事
様々な文献や両軍パイロット証言から今まで伝わって来たミッドウェイ海戦と模様が違った事が次第に解明されてきました。総合的に書かせていただきますが、”魔の5分間”と云うのは単なる日本軍参謀たちの方便だった云う事です。それを基にしてこの検証を進めて行きます。
1942年5月27日 南雲忠一中将率いる第一機動部隊は広島湾を出撃した。
旗艦の空母「赤城」を筆頭に、ミッドウェー攻略作戦に参加する艦艇は150隻、航空機が1000機以上、参加した将兵数が約10万人と、まさに史上空前の作戦でした。
「赤城」「加賀」「飛龍」「蒼龍」の空母4隻を伴い北太平洋上に進撃。山本五十六連合艦隊司令官の戦艦「大和」を期間とする艦隊は後から続いた。(ミッドウェイ海戦では、作戦海域の後方500キロ離れた海域で行動)
話をさかのぼる事1か月前のアメリカ軍部
アメリカ軍部は日本の海軍の持つ暗号システムを解読に成功し、その全貌を把握していました。特にアメリカ軍はオーストラリアとの連携を遮断するため太平洋に浮かぶフィジー諸島が日本海軍進出海域と想定していましたが、囮の暗号で目的海域がハワイ沖合西方2千キロ離れたミッドウェイ島と云う事が判明しました。
そこに、前月の海戦で損傷した空母「ヨークタウン」をたった3日で航行可能にして、戦力にしました。それに「エンタープライズ」「ホーネット」2隻を加えて3隻の空母とミッドウェイ島の航空部隊が日本空母部隊に立ち向かう体制で海域に展開しました。
日本とアメリカ側の戦力は以下の様です。

実は4隻で無かった日本空母、同日にアラスカ・アリューシャン列島に2隻の空母を展開させ。アメリカ軍の陽動を狙いました。その他に2隻の小型空母が作戦海域の外で展開していました。
勿論この時点では日本側は敵の戦力の把握が出来ていませんでしたが、航空母艦を主力とする海戦では滑走路と艦載機が多い方が有利です。これは、紀元前5世紀頃のギリシャ連合とマケドニア王国の戦いから現在に至るの軍事セオリーだからです。
では、雪合戦に落とし込んでみると、ここでは、勝つと云うゴール設定での戦略戦術を駆使して戦う事を想定しての見解です。スポーツ雪合戦では、4人のフォワードFWと3人のバックスそして作戦を指示する監督(Director )がキーパーソンとなります。
雪合戦に於いては、4人のフォワードFWは艦載機からくる攻撃機 3人のバックスBKは正に航空母艦
この4人をマークし球を避ける事がチームを勝利に貢献する大きな要因となります。 そして雪球の補給を止め、フォワードの戦力を無きモノにする事が勝利に繋がる大きな要因です。つまり、BK3人をアウトにさせれば、フラッグ奪取しか選択肢のないFWの行動を制限させ(航空母艦が無ければ不時着しか方法が無い)爆弾を持たないFWには怖がらずに集中して雪球を当てる事が出来ます。(スポーツ雪合戦は奥が深いです。)
知っていたにも拘らず、空母部隊に知らせなかった山本長官
ミッドウェイに行く途中、空母部隊の動きを予想して潜水艦10隻以上を海域で作戦行動を取っていました。しかしながら既にアメリカの空母部隊はその海域を通過した後だったので海域を特定する事が出来ませんでした。しかしながら、アメリカ軍の電波を傍受し、ミッドウェイの海域に空母が3隻行動している事を把握できました。
その事実を戦艦大和の山本五十六司令長官の所まで届きましたが、電波の感度に優れない空母にはこの件が伝わらなく、また確認のための電信も打たなかったため、米軍空母部隊が接近中だと云う事を知らないまま、戦闘行動に移りました。
スポーツ雪合戦でもコミュニケーションが大事
雪合戦に換言すれば、後方から空母である相手BKが前に出てきている事を監督ならびに自チームBKが前線のFW陣に伝えないでいる事と同じで、それだけでも行動に遅れが生じ勝利から遠のく結果に繋がります。全員が共通の危機意識を共有する事が現場レベルでどれだけ大事かを学ばされるウィンタースポーツです。

ミッドウェイ島に向け第一陣攻撃陣発進
昭和17年6月5日早朝、日本軍空母部隊はゼロ戦を含む108機の攻撃陣がミッドウェイ島に向け飛び立ちミッドウェイ海戦がはじまりました。発艦から約二時間後、ミッドウェイ島に爆撃をはじめました。当初から暗号を解読し作戦を予測したアメリカ軍地上基地の航空機は全機飛び立っており、より重厚な地上からの対空攻撃に遭い第一陣攻撃隊は思うような成果が挙げられず第二次攻撃隊の要請を打電しました。
その頃、日本空母艦隊はアメリカ空母部隊を想定し、魚雷を攻撃機に取り付けてゴーサインを待つばかりでした。
ほとんど同時刻、アメリカ軍も日本空母部隊の位置を確認。ミッドウェイ島から爆撃機が飛び立ちました。また、その水域に到着した米潜水艦が空母「赤城」に対して魚雷攻撃の準備をしていました。
魚雷を発射、水しぶきと航跡が見えて、空母「赤城」はあわてて舵を取り、回避。その潜水艦を沈めるため、日本の駆逐艦が隊列を離れ潜水艦駆逐のため爆雷を投下、アメリカ潜水艦は深くもぐり、エンジンを止め、駆逐艦の攻撃がやむのを待っていました。
日本のパイロットは優秀
日本空母部隊に向けミッドウェイ島の爆撃隊はゼロ戦と対空砲火で全機が撃墜され、日本側に被害は有りませんでした。空母部隊から派遣した偵察機が空母らしき艦隊を見つけて打電、空母艦隊の南雲中将たち指揮官たちは大慌て、空母飛龍の艦長の山口多聞少将は、地上攻撃の爆弾のままのアメリカ機動部隊の攻撃を提案しますが、戦闘機の護衛が不備の理由で却下。空母部隊は地上攻撃の爆弾から艦船用の魚雷への兵装転換を再び行います。(これを次章で詳しく検証します)
次章をごらんください。
ミッドウェイ海戦のその時 敗因を見つけ対策を練る事が雪合戦でも重要です。(18年10月28日付)
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空母の艦内では後片付けしていない爆弾や魚雷が散在、そして艦上では第一次攻撃隊の帰還する航空機の対応、そして敵攻撃隊からの魚雷や爆弾を避けるための回転と想像に耐えがたい混乱の場面のなか、運命の急降下爆撃機の攻撃の時を迎えます。
(次号に続く)
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← 雪合戦の理論を使っていればミッドウェイ海戦は日本の勝利です!(18年10月11日号)
次号 リンク先
ミッドウェイ海戦のその時、敗因を見つけ対策を練る事が雪合戦でも重要です。
2020年9月11日 ロードショー 映画「ミッドウェイ」
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第二のミッドウェイ海戦が迫る、日本の企業群に迫る危機とは?
2021年5月連休明けにミッドウェイ海戦について最新の記事、そして日本が近い将来、第二のミッドウェイ海戦に負けないような示唆に富んだ内容の記事を投稿する予定です。国際的な紛争を武力でなく話し合いやソフトパワーで解決する力が重要になって行きます。その力をぜひこの記事をお読みの方に知って欲しい。そして実行して少子高齢化に悩む日本の将来に明るい光を灯して欲しい‼
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℡ 03-6326-5106
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